或るMessiaen作品に数ヶ月前から心奪われています。
Messiaenといえば、「Sainte Trinite教会」で約60年間
オルガニストを務めた、カトリック神学と密接なオルガン作品を
多々残した作曲家でもあります。
やはりMessiaenを探る上で、オルガン作品は欠かせないものだと
確信しています。
そうした上で、私が心奪われてやまない作品は
《Diptique-二枚折絵-》です。
初期のオルガン作品で、大まかな構造の区分は、
2部に分かれています。
サブタイトルは、「地上の生と至福の永遠性についてのエッセー 」。
ここから憶測するに、
2区分の前半部分では、「地上に生まれし人の世の苦悩」について
音を何重にも編み上げ、
後半部分では、「天上の至福と永遠の安らぎ」をパイプオルガンという
重厚な響きの中に投影したのではないでしょうか。
国内の楽譜店では、どうもこの作品の楽譜は
お取り扱いがないようです。
取り寄せに数ヶ月かかるといいます。
海外から直接取り寄せたいですが、その方法を考えています。
個人的には、「地上に生まれし人の世の苦悩」の方の音の編み込みに
Magnetiqueに引き込まれ、常にこの音群が頭の中で響いています。
「天上の至福」の方は、音の動きがかなり緩除になり、
アナリーゼを試みるとしたら、「苦悩」の冒頭のテーマが
拡大形で出てくるのでしょう。
(未だ楽譜を手にしていませんので、詳細な仕掛けまでは掴めていないですが。)
一つ終わったら、次のテーマに向けて、
早速準備を開始させたいです。
来年も良い研究が出来ますように。
注: 写真はパイプオルガンではありません。
赤坂樹里亜