【メシアン・ファミリーについて: ジャンヌ・ロリオ(1928-2001)
-イヴォンヌ・ロリオ(1924-2010)の妹-】
先週は暑さに堪えながらも、音源の聴き比べを中心にやっておりました。
わたくしの持っている『神の顕在の三つの小典礼 第3曲』(1943-1944)の音源は、
3種類です。(記事を改めて詳細情報を列挙します。)
これらを聴き比べていって、やはり何度聞いても軍配が上がるのが、
マルセル・クーロー(1912-1986)指揮の盤です。
Pf.は云わずと知れた、のちにメシアンの後妻となるイヴォンヌ・ロリオ(1924-2010)です。
『小典礼第3番』の約20分間に渡る演奏に於いても、やはり最も安定した形で作品を
巧みにまとめている感があります。
当初、やはりイヴォンヌの功績は最も大きなものだと感じておりました。
しかし最近、更に気づいた事があります。それは、電子楽器のオンド・マルトノに
関しても、他の盤と比較しても、やはりこの盤が最も安定した演奏のように思える事です。
オンド奏者は、イヴォンヌの妹であるジャンヌ・ロリオ(1928-2001)です。
オンド・マルトノという電子楽器は、個体数自体少ないでしょうし、奏者もまた
限られているのかも知れません。
憶測するに、メシアンはイヴォンヌ・ロリオとの初演活動の交流に於いて、
もしかしたら妹ジャンヌのオンド演奏にも影響を受け、オケの編入楽器として、
またはソロ楽器として、自身の作品中にしばしば用いたのではないでしょうか。
(*仮説の段階です。)
ジャンヌ・ロリオに関しましても、「先妻クレールの事」同様に、
記録が未だ上手く見つからずにおりますので、メシアンがジャンヌと
どのような交流を深めていったのか、それが氏の創作とどの様な因果関係を持ったのか、
未だ調査中の段階であります。
音源の聴き比べから、また新たな事柄にトンネルは繋がってゆきました。
Julia.A
Le 27 Juillet 2013 13h45