話は前後しますが、久々にエキサイトする演奏を聴いた気がしました。
去る9月11日㈰の「クラシック音楽館」でのプーランク作曲 オルガン協奏曲 ト短調のオリヴィエ・ラトリー(仏1962-)のパイプ・オルガンです。
N響第1960回定期公演/ 密着!新首席指揮者ルイージの魅力(2) – クラシック音楽館 – NHK
私自身、日頃からラトリー演奏によるメシアンのオルガン作品全集である『オリヴィエ・メシアン コンプレート・オルガン・ワークス』のアルバムを愛聴しており、ラトリーの演奏は私自身の「メシアン・オルガン作品受容」の支柱だった事でしょう。
ラトリーはオリヴィエ・メシアンから「新マルセル・デュプレ」と呼ばれたほどの実力を持つ世界的オルガニストです。マルセル・ディプレとは、メシアンのパリ音楽院時代のオルガンの師です。オルガンの名手でもあったメシアンが、「自身の師の再来」と称したラトリーの演奏は、やはり聴く人の心に「まばゆい閃光が走ったかの様な」魅惑的高揚感を与えてくれます。
上記の「N響第1960回定期公演」のページには、指揮者ステファヌ・ドゥネーヴや、新N響主席指揮者ファビオ・ルイージらが中心に書かれていましたが、ラトリーのオルガン演奏も、大変まばゆい光を放っている事でしょう。
今私の行っている《神の現存の三つの小典礼曲》(1934-44)の研究では、鍵盤楽器はPf.とOndes Martenot、Celst.などが中心で、Org.は編成に在りませんが、メシアン作品を視る上で、Org. Solo作品は欠かせない位置を占めているでしょう。
私自身、ラトリーのメシアン・オルガン全集に在る《二枚折絵》(1930)、《栄光の御身体》(1939)、《主の降誕》(1935)などを聴き始めてから、自身の専門領域を「メシアンの『カトリック作品』におけるM.T.L.と調性の関連性考察」とする事を決断したのですから。
今、雑多な事に忙殺されそうな時期ですが、初心に還ってまたラトリーのオルガン全集をゆっくりと鑑賞したくなってきました。「命の洗濯」ですかね。
Juli.T.A
Le 28 septembre 2022 11h01