去る2017年12月6日、初台のオペラシティに於いて、ピエール=ロラン・エマール氏による下記のピアノソロ作品全曲演奏会がありました。
メシアン《幼子イエスに注ぐ20のまなざし》(1945)
上記作品の全曲演奏会は、去る2017年5月18日に銀座ヤマハホールにて、スティーブン・オズボーン氏によるピアノで聴かせて頂いたばかりですが、今般大きく感じた事は、ピアノのスペックの点です。
前回のヤマハホールでのヤマハGP(グランドピアノ)と、今般オペラシティのスタインウェイGPでは、ピアニッシモの表現力が桁違いでした。
こうした微細なニュアンスの問題になると、ヤマハホールのGPでは表現しきれなかった「音の煌めきの中に潜む息遣い」、「ピアニッシモでも決して貧弱な響きとはならない芯の在る楽音」を、あの場のスタインウェイを通して会場のオーディエンスは皆、一様に体現できたのではないかと愚考致します。
即ち、ピアニストの腕の問題以前の、ピアノのスペックに大きく想いを寄せた事象でした。
無論、今般のピアニストであるエマール氏にもまた、この作品に対する解釈に大きな造詣の深さを感じました。
前回のヤマハホールでのオズボーン氏の時は、客席で私はスコアを広げながら鑑賞しておりましたが、今回はそれを行いませんでした。
しかしながら、「楽曲の構造」や「テーマの用いられ方」といった作品の構造部分が、一聴しただけで直ぐさま頭に入りやすいスマートにまとまった演奏、その様に思いました。
私は作曲出身ですので、この様な演奏が個人的に大好きです。
明後日2017年12月10日は、O.Messiaen生誕109回目のメモリアルな日となりますね。
わたくしごとですが、年明け2018年1月3日から10日まで、Parisに行って参ります。
メシアンの軌跡が更に追える事を大きく期待しつつ、様々に計画を練っている最中です。
Julia.T.A
le 8 dec, 2017 12h33