「聖書研究」と「M.T.L旋法研究」の接点を求めた時、‐或いはここらで
この二つの要素を包括した学際的研究を試みようとした時‐
先述の《Les corps glorieux-栄光の御体-》の存在に着目し、この作品から
切り口を見つけてゆくのが適切ではないかと感じたため、調査に入ったところです。
譜から、旋法の種別を探ってゆく作業です。
実は2011年の《Huit prelides -8つの前奏曲集-》(1928-29)を研究した頃
以来の安定した調子を取り戻せました。
(《Huit Preludes》の際は、「1. 色彩への言及」と「2. 旋法研究」を
包括し研究を行なおうと試み、惜しくも邪魔だてされて不本意な形で
幕引きとなったものです。)
確か《Les corps glorieux》は、メシアン著の『我が音楽語法』(1944)にも
幾らかの解説が成されていた記憶があり、再度『我が音楽語法』を開いて
みたところ、やはりこの7曲の内の数曲を著書内に見つけました。
この著作をもって氏の創作技法を弟子たちに伝授する意図で書かれたもので
あるため、《Les corps…》の旋法解釈は、比較的重要度が高いと判断されます。
更には聖書の基礎知識との相乗効果によって、《Les corps…》の作品構造が
解釈できそうに感じています。
またこの作品を識れば、《Trois petites liturgies de la presence divine
-神の現存の小典礼曲-》(1943-44)の理解に繋がります。
Julia.A
le 21 octobre 2015 20h00