Messiaen:『Huit preludes』の8曲中、最も個人的に惹かれる作品は、
『No.5 Les sons impalpables du reve -夢の触れ得ぬ音たち-』です。
これは『No.4 Instant defunt -死した瞬間-』と、
先述の『No.6 Cloche d’angoisse et larmes d’adieu
-苦悶の鐘と告別の涙-』の間の「No.5」に位置し、
唯一の「永遠の救済」ないしは「夢想」を連想させる作品です。
この作品での「M.T.L旋法同士の多重旋法(Polymodalite)」の
重なり合いも見事でして、構造的な意味でもまた、8曲中では、
やはり最も惹きつけられる作品です。
(この点は、昨年にわたくし、口頭発表を行ったんですが…。
…。です…。)
一方、『No.7 Plainte calme -静寂な嘆き-』は、譜で言いますと
3ページと短い作品ではありますが、8曲中最もポリフォニックな
作品であり、以前に、1パート毎にばらして、弦楽四重奏曲に
編曲してみた事がありました。
(何れ、もう少し大きな編成に編曲し直そうと予定しています。)
このYoutube動画では、以下の2曲の順で演奏されているようです。
1. 『No.7 Plainte calme -静寂な嘆き-』、
2. 『No.5 Les sons impalpables du reve -夢の触れ得ぬ音たち-』
少々「ドキッ!」としましたのは、『No.5』でピアニストが
一部止まってしまって弾き直しがあった処でしょうか。
(観ている方も怖いです、こういう時は…。)
(わたくしもアナリーゼを行いながら、ざっと譜読みをした事が
ありますが、やはりこの作品は、演奏者サイドのかたにとりましても
難しい作品なのですね?)
わたくしの2013年の計画としましては、何れこの『No.5』も
小編成オケに編曲してみる予定です。
赤坂樹里亜