わたくしの2012年は、O.Messiaenオルガン曲の研究をしようと計画を立てましたが、
この『L’ascension -キリストの昇天-』は1932年~1933年に先ずは
オーケストラ曲として書かれ、その翌年(1934年)にオルガン曲として
編曲されています。
オルガン曲を探る前に、このオケ原曲にも惹かれます。
原曲は下記の4曲から成ります。
No.1 『Majeste du Christ demandant sa gloire a son Pere
-自らの栄光を父なる神に求めるキリストの威厳-』
No.2 『Alleluias sereins d’une ame qui desire le ciel
-天国を希求する魂の清らかなアレルヤ-』
(No.3 『Alleluia sur la trompette, alleluia sur la cymbale
-トランペットによるアレルヤ、シンバルによるアレルヤ-』)
No.4 『Priere du Christ montant vers son Pere
-父のみもとへ帰るキリストの祈り-』
この4曲から成る原曲ですが、上記のカッコで括ったその第3曲目だけが、
オルガン曲では全く違う曲を新たに創作して、3曲目としています。
(Pour Orgue No.3 『Transports de joie d’une ame
devant la gloire du Christ qui est la seinne
-キリストの栄光を我がものとした魂の喜びの高まり-』)
この書き換えが行われた事の第一予想では、「トランペットやシンバル」による
賛美的な楽想をオルガン曲に置き換えた時に、オルガンという楽器の性質上、
これに見合ったものを新たに書き、各4曲に統一性を持たせたのか?
と先ず思いましたが、もう少し精査してゆくと、何かもっと解るのかも知れません。
更に両者を比較検討してゆこうと思います。
赤坂樹里亜