【O.Messiaen 《Meditations sur le mystere de la Sainte-Trinite: No.2 Dieu est saint》(1969)
オリヴィエ・メシアン《聖三位一体の神秘の瞑想 第二番 神は神聖》】
6月15日(日)はカトリック典礼暦では「三位一体の主日」との事です。
そこでやはり思い出しますのは、メシアンの《聖三位一体の瞑想》(1969)です。
これはオルガンの為の組曲であり、全9曲から成ります。
初めてこの作品と対峙した時は、かなり難解な印象を持ったものですが、
自分自身もカトリック教会に通うようになってからこの作品を改めて聴くと、
かなり違った表情を感じる昨今です。
この動画は、《第二番 神は神聖》です。
未だ着手していませんが、アナリーゼしてゆけば基調となる調は
A durで受け取れそうに思います。(これは《神の顕在の三つの小典礼》(1943-44)とも
同一の調性となりますね。)
この作品の書かれた時期はメシアン61歳の頃で、作曲技法もより複雑化している
後期作品ですが、神を讃える「Les œuvres Saintes(神聖な作品)」という点では、
音の重なりがいくら煩雑になっても、雑多な音の羅列には聴こえません。
因みに「Les œuvres」という仏単語は、「作品」という意味のほか、
「慈善行為」という意味をも持つのですね。
まさしく、メシアンが作品を創作する事の本質は、後世の人々に対しての「慈善行為」の
ように思えます。
メシアンのカトリック作品は、自分の中では、
「音楽でありながらも、音楽を超越した神聖なもの」という位置づけにあります。
赤坂樹里亜
Le 18 Juin 2014 13h44